2012年4月19日木曜日

エリザベス1世 〜愛と陰謀の王宮〜 - マダムようの映画日記


ーエリザベス1世 〜愛と陰謀の王宮〜ー ELIZABETH I
2005年 イギリスTVドラマ 
トム・フーパー監督 ヘレン・ミレン(エリザベス1世)ジェレミー・アイアンズ(レスター伯 ロバード・ダドリー)ヒュー・ダンシー(エセックス伯 ロバート・デヴァルー)バーバラ・フリン(スコットランド女王 メアリー・スチュアート)パトリック・マラハイド(フランシス・ウォルシンガム卿)イアン・マクディアミッド(バーリー卿 ウィリアム・セシル)トビー・ジョーンズ(ロバート・セシル

【解説】
(前編)ヘレン・ミレン主演、愛と陰謀に揺れたエリザベス1世の半生を描いたドラマの前編。イングランドとカトリックの列強国が睨み合う中、ローマ教皇から破門された女王。彼女はスコットランド女王を公開処刑し、スペインの無敵艦隊を返り討ちにする。

(後編)ヘレン・ミレン主演、愛と陰謀に揺れたエリザベス1世の半生を描いたドラマの後編。女王はレスター伯の義理の息子・エセックス卿を新恋人にするが、ほどなく蜜月は終了。寵愛を失い王宮に銃を向けたエセックス卿は反逆罪で捕えられ、断頭台へ送られる。(yahooより)


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【感想】
過って、後編から先に見てしまったのですが、結果、その方がよかったかもしれません。
前編の方が、かなり見応えのあるものでした。

映画より、こちらの方が史実に近いのではないでしょうか。
そしてエリザベスの気性も、ヘレン・ミレンの演技は説得力がありました。

前編はエリザベス(ヘレン・ミレン)が即位して20年目から始まります。
つまり、出生の複雑な事情やロンドン塔幽閉のことは触れられていませんでした。

もうお世継ぎの希望も少なくなってきて、側近たちはあせっていました。
大国スペインは弱小の異端の小国を虎視眈々と狙っていました。

そこにフランス国王の弟君との縁談が持ち上がるのですが、かねてからの恋人レスター伯 ロバード・ダドリー(ジェレミー・アイアンズ)への未練から、なかなか決心のつかないエリザベス。
でも、彼に恋人がいて、しかも妊娠したと知って激怒し、宮中から追放してしまいます。
フランスとの結婚も決意するのですが、今度は国民が大反対で、側近たちも怖じ気づき、結局破談としてしまいます。
「イギリスと結婚した」とつぶやくエリザベス。


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7年後、従姉で幽閉中のメアリー・スチュアートに謀叛の疑いがかかります。
エリザベスは、王位継承権を持つ従姉の処刑はなんとか免れようと、メアリーと密会をしますが、その努力の甲斐もなく、側近のウォルシンガムはスパイを放って、証拠を集め、有罪を証明しました。
仲介者たちに残酷な処罰を与えたエリザベスですが、さすがに、メアリーには躊躇します。
しかし、裁判が行われ、上院下院とも有罪を認め、エリザベスに死刑執行の署名を迫ります。

レスター卿を許し、また側において助言を求めるのですが、頼みのレスター卿まで署名するように強く薦め、とうとう署名するエリザベス。
メアリー処刑の報を聞き、苦悩するエリザベスの姿が、人間味に溢れ感動的でした。
レスターは彼女の苦しみを支え、永遠の忠誠を誓ってくれました。

メアリーを処刑したことを口実に、スペインの大艦隊が宣戦布告をしました。
レスターは義理の息子のエセックス卿を伴って戦地に出征して行きました。
エリザベスも、兵士たちを鼓舞すべく共に最前線へ。

この演説が胸を打ちました。
そして、奇跡的な勝利。


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しかし、不運なことにレスター卿が病に倒れ、エセックスにエリザベスのことを託して死んでいきました。

後編は、この親子ほども年の違うエセックス伯 ロバート・デヴァルー(ヒュー・ダンシー)との恋愛を軸に描かれます。

彼は、純粋で向こう見ず、若者らしい単純な野心に溢れていました。
エリザベスにも臆することなく、率直な愛情を持って向かってきました。
でも、どんなに危なっかしくても、エリザベスは寛容でした。
若いエネルギーと生命力に溢れた、美しい愛人に目がくらんでいたのですね。
一線は越えることなく、賢明で聡明な女王でも、彼に一途な愛情で迫られると、経済的なことですむなら、と援助も惜しみませんでした。

恋人ですが、息子のようにも感じていたようです。

でも、結局それが仇となり、彼はエリザベスの愛を過信して暴走してしまい、反逆罪で、エリザベスの口から処刑を宣言する結果となってしまいました。


エリザベス1世は、女王になったために、重大な辛い決断も強いられ、愛する人と結ばれることもなく、女性としては不幸な生涯ともいえますが、その反面、イングランドを自立した国へと導いた、偉大な人だったということがわかりました。



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